月ヶ瀬梅林と並び、奈良の三大梅林といわれているのが、賀名生梅林(あのうばいりん)と広橋梅林です。
北曽木の丘陵を約2万本の梅が覆う賀名生梅林。南北朝時代、都を追われた公家達は、この地の梅を見て、栄華を偲んだ歌を詠んだといいます。いちめんに広がる白や淡い桃色の梅。あたかも山全体に霞がかかったように見え、思わず息を飲むほどです。2月下旬から3月下旬頃までが例年見頃となっています。
一回りするとおよそ3時間かかるほどの巨大な梅林にはいくつかのビュースポットがあります。山の北側斜面にびっしりと梅が咲き並ぶ姿を目の当たりにできる「口の千本」をはじめ、「東雲千本」「奥の千本」「西の千本」など、起伏に富んだ名勝を楽しみながら散策することができます。ちなみにこの「千本」とは吉野山の桜になぞらえた呼び方です。
広橋梅林は、葛城山や金剛山、大和平野を見渡せるダイナミックな眺望と梅のコントラストが見事。約25ヘクタールの野に、約5000本の梅が花を咲かせます。見頃は例年2月下旬から3月中旬まで。遊歩道が整備されており、全長約3.2キロの「梅林満喫コース」では、梅の里の風情を存分に感じることができます。一方、全長約1.2キロの「天守の森コース」は、梅林を抜けて杉木立を歩き、広橋城跡の残る山頂までのハイキングコース。歴史情緒と自然の素晴らしさ、双方を感じさせてくれます。
自然の景観美を「借景」とし、ここでしか見られない「野の梅」を堪能できる奈良の梅林。桜の盛りも良いけれど、梅の頃も味わい深いですよ! |